「一樹百穫」。人材を育てることは、大きな利益をもたらす。また、大計を成し遂げるには、人材を育成しなければならない。中国は斉の国の宰相、管子の教えを由来とする言葉だ。 我々長野YEGが、今後も地域になくてはならない団体として、さらにその価値を高めていくためには、会員全員の一人ひとりの想(こころ)にある未来への想いを育みながら、その想いを次代へとつないでいかなければならない。令和6年度122名の全会員が自らの力で、長野YEGの事業や活動を通し、その未来へとつなぐ想(こころ)をひとつでも多く醸成していくことが、本年の重要な責務の一つであると考える。そこで生まれた一つひとつの想(こころ)が、やがて我々や地域の未来に大きな力となる。まさに、一つの樹が百の収穫を生む。それこそが令和6年度のスローガンに掲げた強い想いである。

 令和という新時代を迎え、時代の変革とともに生まれる新たな価値観に対し、個人や組織が柔軟に対応し、その変化に沿って行動することが求められている。我々長野YEGの組織や事業も、それらに対応しながらさらに飛躍すべき時であると感じる。本年は、組織図の見直しを始め、遂行すべき事業や活動のあり方を今一度熟慮したうえで、我々や地域にとってより利益を生み、会員が参画する意味を感じることができるような組織へとこれまで以上に変貌させる挑戦をしていきたい。また、我々の活動の根幹は、自社業の発展をなくして地域経済の発展はなく、その逆も然りである。まずは我々自身が、長野YEGに在籍している意味を見出し、事業や活動を通して会員一人ひとりの交流やビジネス交流の場を創出することで、会員同士のつながりをより強固なものとすることが必要である。そして、我々は親会である商工会議所があっての青年部である。本年も親会との連携を、より積極的に計りながら、お互いを高め、助け合う関係性を今まで以上に築き上げることで、この組織に在籍している有益的な意味をさらに感じてもらいたい。その結果が、会員同士の相互理解を深め、自社業や地域の発展へと飛躍していくはずだ。さらに、昨年まで模索してきた単独事業も成熟期を迎えた。本年はそれを実現させるとともに、我々や地域にとって今後どのような内容で実行していくべきなのか、より深く追求し、来年以降も我々と地域にとって必要とされるものへとつなげ、昇華させていかなければならないと考えている。

  最後に、我々長野YEGは、地域の未来を担う存在として、知識、情報、経験の共有を通じて互いに学び合い、地域経済の発展に寄与していかなければならない。そのためには、会員一人ひとりが自身の可能性を信じ、能動的に本年度の活動に参画していくことが不可欠である。今こそ長野YEGが一丸となって立ち上がり、本年の活動を通して、より多くの未来へとつなぐ想(こころ)の創出へと邁進していこうではないか。

                         長野商工会議所青年部

令和 6年度会長 松本 夏樹